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患者さんにとって少しでも安心して受診できるように、クリニックの雰囲気などお伝えしていきます。
血液検査と不調の推測

院長の白岩です。
今回は血液検査から読み取る不調の原因の推測について少しお話しします。
精神の不調=精神だけではない
いつもお伝えしているように、精神的な不調の原因は精神的なものだけではないことが多いです。
精神的なものを否定しているということではありません。精神的なストレスなどが引き金になることはもちろんありますが、その背景には調子を崩しやすい体の栄養バランスの乱れも隠れているということです。
ですので、その辺りを見ていくためには血液検査が必須になります。
もちろん、不調の内容を主とした症状の詳細、食生活や精神的ストレスの内容、睡眠、運動などからも栄養バランスの乱れは推測できますし、血液検査をしなくてもわかる範囲はあります。
本来は診察時にそれらのことを全て聞き出さなくては行けませんが、如何せん、それをやっていたらとても診察時間内に全ての患者様とお会いすることができなくなってしまいます。
時間内に聞ききれない情報を得るために、当院には「消化管・栄養チェック情報シート」というものがWEB問診上にありますので、お時間の許す方はぜひやってみてください。
血液検査の重要性
ということで聞ききれない情報や、問診だけではわからない情報を整理し、データで数値としての裏付けを得る意味でも血液検査は重要なものになってきます。
「体に良い食べ物」という情報はよくあります。意識することは大切です。ですが、どんな食べ物でも絶対に誰にとっても体に良いというわけではありません。個人個人、優先するべき栄養素の順番や、避けた方が良いものは違いがあるのです。
そういったことを明らかにするために血液検査を行います。
病名がない病気がある?
「血液検査で異常はなかったので、精神的なものだと言われました」
これはよくある会話です。その通りだと思います。なぜかといえば、それは内科の病名がつかないからです。
私たちが解読する血液データの内容は病名探しではありません。体に不調をきたす可能性のある栄養バランスの乱れ、食生活の乱れ生活習慣など、血液検査で基準値内に入っていても体の不調につながるデータを探すのが仕事です。
血液検査による判断の具体例
一つの例をあげます。AST、ALTという検査項目があります。
通常は肝機能の評価のために測られます。この数値がAさんは 「AST 18 ALT 24」、Bさんは「AST 15 ALT 8」だったとします。二人とも基準値範囲内ですので、「肝機能障害なし」ということで健康診断ではA判定になります。
しかし、栄養学的に考えるとこの差が意味することは全然違います。
Aさんは軽度の炎症や脂肪肝などが考えられますし、Bさんはタンパク質代謝に関連する栄養素の不足といった全く別の病態が隠れていると読み取ります。
このように健康診断A判定でもそこから推測される患者さん個々の不調の原因の違いは全く別のものになってきます。
もちろん、上記は一例ですので、他の検査項目と合わせて考えた場合はさらに色々考えるべき病態があるかもしれません。
まとめ
いずれにしても血液検査から読み取れる情報には治療に役立つ情報がものすごくたくさん隠されています。
前回のブログでもお話ししたように、気分の変動があるから躁うつ病、躁うつ病だから◯◯という薬ではなく、データに基づいた治療の提案を行うことができるようになるのです。
血液検査はとても大事な情報ツールです。
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