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患者さんにとって少しでも安心して受診できるように、クリニックの雰囲気などお伝えしていきます。
「うつ」には抗うつ薬は必要?薬だけに頼らない治療法

みなさんこんにちは。院長の白岩です。
さて今日は「うつ」について少しお話したいと思います。
うつってどんな状態??
やや込み入った話になりますが、まず、「うつ」と聞くとどんな状態を想像されるでしょうか。
診察の時によく 「先生、私うつ病ですか?」 と聞かれます。
精神科だけではなく、どんな疾患も診断基準は存在しますが、「うつ病」にも診断基準というものが存在します。
WHOが作成した”ICD-10”というものとアメリカの精神医学会が作成した”DSM-5”の2つが主に使われています。
ここではその比較をすることはしませんが、ごく簡単に言えば、以下などの症状が2週間以上続くということで診断されます。
- 普段と比べて気分が落ち込んでおり、悲しく感じる。
- 普段ならできることができなくなり億劫で意欲が出ない。
- 自信がない
- 悲観的
- 疲れやすい・・・
これには色々議論があり、最後に「他の疾患では説明がつかない」ことが条件になっていますが、いずれにしてもかなり曖昧なものというのが「うつ病」の診断の現実です。
そのため、本当に妄想に近いくらいのよっぽど重篤なうつ病でない限り、私は安易に診断はしない方が良いと思っています。
私は患者さんに話をするとき、「うつ状態」とか「うつに近い状態」と表現しています。
「うつ」が疑われる時のアプローチ
「うつ」(うつ病ではない)は色々なライフスタイルの変化で誰でも起こり得ます。
仕事のストレス、人間関係、学校等・・当たり前ですが100人いれば100通り。
ですので、まずは状況を聞いて、対応できる事柄を考えます。しかし、環境改善は口でいうほど簡単ではありません。
そんな時にどんな治療を考えるか。
普通に考えれば薬でしょうか。抗うつ薬といううつをよくするといわれている薬があります。
抗うつ薬にも色々な種類がありますので、その人その人の症状を考えて選択しますが、ざっくり言って大抵どの抗うつ薬も十分な効果を発揮する割合は3割程度といわれています。
10人の「うつ」の患者さんがこられて、3人しか治らないということです。
どうもしっくり来ないなというのが私の感想です。
薬に支配されないために
そこで私は必ず「うつ」の患者さんに体の不調を聞くようにしています。
ほとんどの場合、何かしら体の不調を感じています。
体は絶好調なのに気持ちがうつの人は少ないですし、逆に体の調子の良い方は環境調整さえうまくいけば解決することが多いと思います。
体の調子を聞くことで、何かしらの栄養状態のアンバランスが推測できます。
その内容とうつを引き起こす栄養バランスの乱れが同じようなものだと推測できれば栄養療法はものすごく役に立つことが多いと感じます。
ただし、栄養療法は誰でも簡単にできるわけではありません。
そもそも食欲すらない「うつ」の患者さんの場合、いくら体にいいものを食べなさいと言っても難しいことが多いです。
意欲の低下が著しい患者さんにレシピを伝えても実践できません。
ですので、薬はあくまで、最悪の状況を脱して少しでも治療に取り組める準備をするための助け舟です。
しかし、栄養状態の悪い患者さんほど、薬の副作用が出やすいというのもまたジレンマです。
そんな時は漢方薬を使うという方法もありますが、どちらがいいかは患者さんと相談しながら選択して行くこととなります。
薬に支配されず、薬を道具としてうまく使えるようにできることが大切だと感じています。
次回はうつで行う栄養療法の実際についてお話したいと思います。
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