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患者さんにとって少しでも安心して受診できるように、クリニックの雰囲気などお伝えしていきます。
高濃度ビタミンC点滴とは?ビタミンCの働きを解説

点滴療法の紹介です。
当院では栄養療法の補完やより高い効果を狙って点滴療法を導入しております。
各種点滴療法のメニューについては「料金メニュー」をご覧いただければと思いますが、いくつかのメニューをご紹介したいと思います。
今回は高濃度ビタミンC点滴(当院のメニューではアンチエイジング・ビタミン点滴)のご紹介です。
アンチエイジング・ビタミン点滴 (高濃度ビタミンC点滴)とは?
ビタミンCは美容でよく知られているビタミンですが、様々な働きがあります。
- コラーゲン生成
- ストレスホルモン合成
- 免疫機能の強化
- 抗酸化作用
1つずつ解説していきます。
コラーゲン生成
美容でなぜよく知られているかというと、コラーゲンの材料になるからです。
コラーゲンは以下によって作られます。
- タンパク質(アミノ酸)
- 鉄
- ビタミンC
今は珍しい病気になりましたが、壊血病という病気をご存知でしょうか。
大航海時代、数ヶ月もの間船の上で過ごしていた船員たちによく起きた病気で、ビタミンCの欠乏によるコラーゲン生成低下で血管が敗れ出血する病気です。
レモンやオレンジを食べたところ治ったことからビタミンCの発見に繋がりました。
この壊血病を予防するために必要なビタミンCの摂取量は1日100mgと言われており、これが厚生労働省が推奨するビタミンCの必要所要量となっています。
要するに必要所要量というのは欠乏症を予防するために最低限必要な摂取量であり、健康を維持するために十分に足りている量ではないと解釈する必要があります。
ストレスホルモン合成
例えば、副腎という臓器でアドレナリン(ストレスホルモン)の合成にビタミンCは必要です。
ストレスがかかると副腎はアドレナリンを生成して抵抗しようとします。
その際、副腎が必要としているビタミンCの量はなんと7gにもなると言われています。7gはmgにすると7000mgです。
ですので、もし1日に100mgしかビタミンCを摂取していなかったとしたら、副腎からのストレスホルモンの合成は滞ってしまうことも考えられます。
ストレスホルモンの合成が滞ってしまうと、ストレスに抵抗できず、疲れやメンタルの不調につながる可能性があります。
ただし、1日に7gものビタミンCを摂取するのは容易なことではないですし、そこまで高用量で毎日取り続けなくてもすぐに不足することはないでしょう。
経口からの摂取の目安は個人差はありますが、1日に1g~3g程度がいいと思います。
免疫機能の強化
そして、ビタミンCを1日に1〜3g以上取っていると免疫機能の強化にも繋がります。
実際、風邪を引いた時はビタミンCと言われるのもここから来ています。
ビタミンCを摂取した群としなかった群で風邪症状の発症が劇的に違っていたという報告もあり、今回の新型コロナウイルス感染症の重症患者さんに高濃度ビタミンC点滴を行ったところ劇的な回復がみられたという海外の報告もあります。
抗酸化作用
もう1つ、ビタミンCの重要な働きは抗酸化作用です。
化学的な言葉で言い換えると還元作用ともいいます。
酸化されたイオンを還元し、ビタミンC自身が酸化することで体のサビ付きを抑えます。
この働きはすごく複雑ですが、ビタミンCが高用量になればなるほど、ビタミンC自身が酸化して、今度は自分が元に戻る(還元する)ために相手を酸化します。
この相手ががん細胞なので、がん細胞を酸化させて殺すという抗がん作用を発揮します。
高濃度ビタミンC点滴が抗がん作用を発揮するメカニズムです。
これには概ね50gないし60g以上のビタミンCを点滴する必要があると言われています。
(正確には血中のビタミンC濃度を測定する必要があります。)
人の腸は栄養の吸収が主な役目ですが、なんでもかんでも限界なく吸収する訳ではありません。
ビタミンCについて言えば、個人差はありますが、概ね3g程度が吸収限界量と言われています。
これを超えると吸収しきれないビタミンCは出ていく訳ですが、自覚的には下痢や軟便になりますので、興味のある方は試されてもいいかもしれません。
逆に言えば便秘にも効くということになると思います。
ですので、3g以上のビタミンCを体内に入れたい場合は点滴が非常に有効な手段になります。
これが高濃度ビタミンC点滴が有効になる主な理由です。
人間以外の動物たちは体内で必要なビタミンCを合成できることが多いので、7gでも10gでも合成できますが、残念ながらヒトは体内でビタミンCを合成できないので、必ず食べ物で摂取しなければなりません。
美容にも、メンタルにも、免疫にもビタミンCは必須です!
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