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患者さんにとって少しでも安心して受診できるように、クリニックの雰囲気などお伝えしていきます。
ビタミンDの重要性

ビタミンDについて
栄養療法の中では認知度の高い栄養素ですが、一般認知度もまだ十分に高いとは言えない栄養素で、まして精神科や婦人科の世界でビタミンDについて語られることはほとんどないと思います。
ビタミンといってもA、B、C、D、E・・・とさまざまあるわけですが、それぞれのビタミンは性質も役割も異なりますし、例えばビタミンBはさらにB1、B2、B6などにわかれているためもはや「ビタミン」とひとまとめにするだけでは全く性質について説明することができません。
ビタミンDは脂溶性ビタミンで水に溶けず、油に馴染む性質があり、最近の研究ではほとんどホルモンと同じようなものであることが明らかになっています。
-ビタミンDの働き(骨代謝)-
ビタミンDはコレステロールを材料とし、日光で合成され、骨形成に関わります。ビタミンDは腸から体内へカルシウムを吸収させる働きがあるため、カルシウムだけを摂取してもビタミンDが不足していると骨形成は弱くなります。
女性ホルモン(エストロゲン)には骨形成を促進する働きがあるため、更年期以降に女性ホルモンが低下すると骨粗鬆症のリスクが高くなります。その際にビタミンDの不足があるとさらに骨粗鬆症のリスクが高まります。
ちなみに「カルシウムサプリ」の摂取は血液中のカルシウム過剰を引き起こすこともありますので、必ずカルシウム/マグネシウムサプリ、もしくはマグネシウム単体サプリ摂取を推奨します。カルシウムはできるだけサプリメントではなく食べ物で摂取しましょう。
-ビタミン D(骨代謝以外)-
ビタミンDの骨代謝以外の作用は最近様々な研究で明らかになってきており、予防医療、健康増進を目指す上で欠かせない栄養素であることが明らかになっています。
特に注目されたものとしては、コロナ感染症に対するもので、ビタミンDは唯一、血中濃度と重症化の関連が認められた栄養素になっています。
腸の粘膜は私たちの重要なバリア機能の一つで、栄養素の吸収と不要な毒物の排泄(便として)を常に行っていますが、バリア形成にビタミンDが必要であるため、ビタミンD不足があると粘膜バリア機能が低下します。その結果さまざまなアレルギー疾患や感染症の重症化に影響すると言われています。
そのほか、ビタミンDの不足は血糖調節障害(糖尿病)、脳血管疾患(脳梗塞、心筋梗塞など)、ホルモン調節作用の障害(不妊症など)、気分調整(特に冬季うつ病)、睡眠障害(日内リズムの調整)などに影響すことが報告されています。
ビタミンDの不足は寿命を短くするという研究も存在します。
ビタミンDの摂取
ビタミンD摂取で気を付けることは、ビタミンA・D・E・Kの4種類は脂溶性であり、脂肪細胞などに溶けて排泄が難しいため活性型のサプリメントを使った場合に問題となることがあります。特に骨粗鬆症で使用するビタミンDの医薬品は活性型のため過剰摂取は危険です。食べ物の場合は魚の油が最も含有量が高いと考えられます。椎茸などのキノコ類にも含まれていますが、含有量がやや少ないためあまり期待できません。
-ビタミンDの適切な濃度-
通常の血液検査基準値では 欠乏症:20ng/ml以下、 不足:30ng/ml以下、 正常:30ng/ml以上 と判定されます。
しかし、オーソモレキュラーでは様々な報告を総合的に判断して、50〜80ng/mlを目指すことを推奨しています。
一般的に150ng/ml以上にならなければ問題ないと言われておりますので、100ng/ml近くであっても問題はないでしょう。
自験例では200ng/mlを超えていた1例を経験しましたが、特段の身体的問題はありませんでした。他の症例についての安全を保証するものではありませんが、ビタミンDは比較的安全性の高い栄養素と考えられると思います。
過剰症を防ぐためには活性型のサプリメントは使用しないことが重要です。
このため、1日における摂取量の目安は概ね3000〜5000IU(75μg〜125μg)程度とされています。
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