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患者さんにとって少しでも安心して受診できるように、クリニックの雰囲気などお伝えしていきます。
「うつ」への栄養アプローチ|取り入れたい栄養素とは?

こんにちは院長の白岩です。
前回は「うつ」の診断が曖昧であること、薬のことをお話ししました。
Contents
「うつ状態」以外の不調
繰り返しになりますが、「うつ状態」で来られた患者さんの多くは何かしらの身体的不調を抱えていることが非常に多い印象です。
そして、体の不調をよく聞くことでどんな栄養素が不足しているか、どの不調が「うつ」に影響しているのかをある程度推測することができます。
「うつ」で現れる主な症状
では、具体的に「うつ」で現れる症状とそれに関連する栄養素をお伝えしようと思います。
- やる気が出ない
- 疲れやすい
- ストレスが多い
- 集中力・記憶力が落ちた
- 眠れない・眠りが浅い
- 頭痛
- 肩こり
- 耳鳴り・めまい
- 食欲がない
- 便秘しやすい
- 筋肉が落ちた
- 生理前になるとイライラする
- 気分が落ち込む
- 冬になると憂うつ
- 風邪をひきやすい
うつ状態の時にこれらの症状を感じたらこんな栄養素の不足があるかもしれません。
「うつ状態」への栄養アプローチ
タンパク質
タンパク質は体のあらゆる細胞の構成成分で一番大事なものです。
筋肉や髪の毛、皮膚などをイメージするかもしれませんが、内臓も脳も全てタンパク質を材料にしています。
また、消化や代謝に必要な酵素、神経伝達物質や各種ホルモンも全てタンパク質を材料にしています。
さらにタンパク質はエネルギーそのものとしても使われます。
タンパク質が不足するということは全ての臓器がスムーズに働きにくくなっていることを意味します。
生き物としての活動の一番根本になる食べて吸収してエネルギーを作り出して動いて、物事を考えて・・これらの全ての活動が滞ることになります。
やる気が出ない、疲れやすい、集中力が落ちた、食欲がないなど、さきほど羅列した症状のほとんどがタンパク質不足の時に起こってくると言っても過言ではありません。
ビタミンB群
ビタミンB群は以下などたくさんの種類があり、それぞれが大切な働きをしています。
- ビタミンB1
- ビタミンB2
- ビタミンB6
- ビタミンB12
- ナイアシン
- ビオチン
- 葉酸
セロトニンやアドレナリン、GABA、メラトニンなど、神経伝達物質を合成するためには材料のタンパク質の他にビタミンB群が必須です。
セロトニンは気分の安定や幸福感、アドレナリンはやる気や活力の源、GABAは興奮を鎮める働き、メラトニンは睡眠の調整など、それぞれの神経伝達物質に良い精神状態を保つために重要な働きがあります。
ビタミンB群の不足はこれらのバランスを崩すことに繋がってしまいます。
また、ビタミンB群は糖、脂質、タンパク質をエネルギーに変換するための代謝にも必須ですので、不足してしまうとエネルギー不足の原因になります。
各種エナジードリンクにビタミンB群が多く入っているのはそのためです。
鉄
鉄は赤血球内にヘモグロビンとして存在し、酸素を運ぶという生命維持に一番大事な働きをするミネラルですが、精神状態への影響が大きいのは細胞内のミトコンドリアでエネルギーを作り出すときや神経伝達物質の合成に必須だからです。
生き物は生命維持が何よりも大事なので、よほどの鉄欠乏でない限りすぐに貧血にはなりませんが、ヘモグロビン以外の全身の鉄は不足しやすくなります。
特に月経出血を繰り返す女性は鉄不足が大きな問題になります。
生理前の気分の不調、イライラ、不眠、不安、意欲の低下などの精神的な不調は鉄不足が関係しますが、それ以外にもコラーゲンの合成にも鉄は重要ですので、肌荒れなどの肌トラブル、爪が割れやすいなども鉄不足が原因となります。
この「タンパク質、ビタミンB群、鉄」の3栄養素を私は「メンタル3大栄養素」だと考えていますが、特に女性は不足する人が多いと感じます。
ビタミンD
ビタミンDは骨の形成に重要なビタミンとして知られていますが、それ以外にも免疫や腸管細胞の維持にも重要な働きをすることがわかってきました。
ビタミンに分類されていますが、実際はかなりホルモンに近い働きをすることがわかっており、ビタミンDの合成にはコレステロールも必要です。
最近のトピックとして、新型コロナによる重症肺炎を呈しやすい人は軒並みビタミンDの濃度が低かったというデータが報告されています。
ビタミンDの不足は免疫を弱め、感染症にかかりやすくなることや冬季のうつにも影響します。
DHA
DHAはドコサヘキサエン酸という脂質の一種で、ω3系脂肪酸と呼ばれます。
ω3系脂肪酸はエゴマ油やアマニ油のようないわゆる体にいい油と呼ばれることが多い種類の油です。
その中でもDHAは脳、眼、精巣などに重要な働きをすると言われています。
脳細胞はもちろんタンパク質も重要ですが、実は脂質が6割と言われており、コレステロールの低下などを含め、脂質の不足は非常に重大な影響をもたらすことがわかっています。
脂質にも色々な種類がありますが、DHAは脳に必須のアブラであり、うつだけでなく、認知症や発達障害などにも影響すると言われています。
他にも亜鉛やマグネシウム、カルシウム、ビタミンCなど「うつ」に影響する栄養素は数多く知られています。
ラエティスクリニック本町のうつ治療の流れ
問診で「うつ」の症状をお聞きし、これらの栄養素の不足が考えられる時は、血液検査をおすすめします。
そして、血液検査の結果からこれらの栄養素の不足が読み取れる時は食事やサプリメントなどを使って栄養素の補充を行っていきます。
もちろん、「うつ」がひどい時には薬も使いながら。この辺は患者さんと無理のない範囲で相談しながら進めていきます。
しかし、サプリメントを摂取しても効果がない時もあります。
サプリが効かない理由はまた別の機会にお話ししますが、「うつ」の場合によくあることはサプリを邪魔する余計なものを摂っているか、体の中に邪魔者がいるケースです。
その場合はまずは邪魔者を体から出すことが大事になります。
そのアプローチには、以下の2つの準備を整えてから食事やサプリでしっかり栄養を取るのが重要になってきます。
- 体から邪魔者を出す(デトックス)
- 体に悪いものを入れない
そうすることで抗うつ薬を飲み続けることなく卒業が近づきます。
寒い季節を乗り越え、「うつ」にならない健康な体作りをしていきましょう。
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