心療内科一般外来（保険診療）

うつや心身症など、さまざまな心の不調に栄養学的な観点からのアプローチを行います。出来るだけ薬を使わずに心身の健康を目指す治療をご提案いたします。

• うつ病

  うつ病は一時期「こころの風邪」と言われたことがありましたが、本当のうつ病はセロトニンやノルアドレナリンといった神経伝達物質の機能低下による疾患であり、風邪のような一時的なものではありません。意欲低下や抑うつ気分が主症状となりますが、ストレス性のものとは異なります。
  現代の医学ではまだその原因の全てはわかっていませんが、一般的な治療としては休養や薬物療法が行われます。
  うつ症状を引き起こす原因の一つとして、神経伝達物質の生成や細胞間連絡に必要な栄養素の不足、代謝を阻害する毒物などが影響するという栄養学的要因が注目されています。

• 躁うつ病　双極性障害

  周期的に気分の変動を繰り返す疾患です。普段よりも気分が高揚し活動性が高まる「躁」の状態と気が滅入り意欲が低下する「うつ」の状態が交互に現れます。「うつ」の時期が長いタイプが多いため、うつ病と思われがちですが、治療薬が異なるため、詳細な問診が必要です。

• 発達障害

  発達障害は小児期に指摘されることの多い障害ですが、最近は「大人の発達障害」という言葉も世間で認知され始めています。
  コミュニケーションが苦手、周りと協調して過ごすことが苦手、片付けや段取りが苦手、気が移りやすく落ち着かない、忘れ物が多い、計画を立てられないなど、日常生活や仕事で色々な困難を生じてしまいます。
  自分の特性がわからない、対処の仕方を知りたい時などには心理学的アプローチが有用です。
  発達障害は生まれつきのものと考えられがちですが、食生活や養育環境なども大きく影響していると言われており栄養学的な治療が進歩している分野でもあります。薬物療法、心理療法、栄養療法など様々な治療法の組み合わせを考えていくといいでしょう

• 不眠症

  不眠症と短時間睡眠はよく混同されていますが、あくまで自覚症状で判別します。睡眠時間が短くても、十分に眠れている感覚があり、日中の活動に問題がなければ不眠症ではありません。逆に睡眠時間が長くても睡眠の質が悪く、日常生活に差し支える場合もあります。入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、睡眠リズム障害などいくつものパターンがあるので、パターンに応じた対応が必要となります。生活指導、薬物療法の他に睡眠を司る脳の神経伝達物質メラトニンが十分に足りていない栄養学的な問題が原因となることもあります。

• 不安障害

  これといった不安を引き起こす要素が見当たらないにもかかわらず不安が続く全般性不安障害、特定の場面や場所などで強い不安を生じる恐怖症、思いがけない時に突然強い不安や動悸、息切れなどが生じるパニック障害、人前に出たり注目される場面になると強い不安を感じる社交不安障害など様々な障害があります。一時的な不安を和らげるために薬物療法が有効な場合もありますが、心理療法も有効です。自律神経症状を伴う場合は栄養療法が効果を発揮することもあります。

• 強迫性障害

  自分でも本当はそこまでしなくてもいいとわかっているのに確認しないと気が済まないという疾患です。例えば、何度も手を洗わずにはいられない、戸締りが気になって何度も確認してしまう、数字や順番のこだわりが強く気になって仕方ないなど人により症状は様々ですが、いずれも強迫症状が原因で日常生活に強く支障をきたしてしまっている状態です。薬物療法や心理療法が有効です。

• 摂食障害

  拒食症や過食症など、食に対する強いこだわり、自分の見た目に対する強迫的なこだわりから過度のダイエットを行なってしまう障害です。
  太ることへの強い恐怖から過度な食事制限を行い、食べ吐きなどを繰り返すこともあります。重症化すると、脳に十分な栄養が行き渡らないため、認知療法を行なっても正しい知識を理解できなくなってしまうこともあり、その場合は入院の上、行動制限による栄養負荷を余儀なくされるケースもあります。
  軽症のうちに正しい食の知識と正しいダイエットを身につけることが重要です。

• 心身症　自律神経失調症など

  心身の症状をまとめて心身症と呼びます。例えばストレス性胃炎や胃潰瘍、喘息、自律神経失調症などです。ストレス因を取り除くことが重要と言われていますが、心身症ほど食生活や生活習慣が大きく影響しているものはないと思います。近年の研究によって脳腸相関というものが明らかになってきました。腸の状態が脳機能に及ぼす影響は想像以上に大きく、自己免疫疾患やアレルギー性疾患、感染症なども腸内環境によって大きく左右されると言われています。病院へ行くほどではない、けれども普段から悩まされている心身の不調、もしかしたら腸の状態が影響しているかもしれません。